ChatGPTのAIエージェントにAmazonの商品出品を任せてみた
ChatGPTは質問に答えるだけのチャットツールから、ブラウザやローカルファイルを操作して作業を進めるAIエージェントへ変わりつつある。
今回はAmazon Seller Centralの商品登録を題材に、商品画像、動画、商品資料をまとめたフォルダを渡し、出品作業をどこまで自動化できるか試した。
結論から書くと、商品情報の作成、Seller Centralへの入力、エラー分析、出品テンプレートの作成までは自動化できた。一方、実測値、ブラウザ権限、画像の整合性、最終送信には人間の確認が残った。
今回の構成:
1. ChatGPTの新モデルによるAIエージェントとは?
従来のChatGPTは、入力された質問に文章で回答することが中心だった。
AIエージェントは、目的を受け取ったあと、必要なファイルを調べ、ブラウザを操作し、作業結果を確認しながら複数の工程を続けて処理する。直近で有名なのはAnthropic社がリリースしたClaude Fable 5などが挙げられる。ただFable 5は料金が高いのと、長年にChatGPTの有料プランを使い続けていたので、今回の新モデルが出るまでAIエージェントを試したことがなかった。
使うプランは以前から契約しているplusで、とりあえず5.6solの中レベルで回してみた。料金や性能は各社が提供するサービスによって違うが、できる仕事は大差がない。
例えば、今回のような商品出品では次の作業が対象になる。
商品画像や動画の確認
参考商品の調査
商品タイトルと説明文の作成
Seller Centralの入力
ページ上のエラー確認
不足情報の抽出
出品資料とテンプレートの作成
人間が一つずつ指示しなくても、「この商品をAmazonに出品する」という目的から必要な工程を組み立てて進められる点が従来のチャットとの違いになる。
ちなみに、AIエージェントでは日常業務をこなすWork機能とプログラミングによく使うCodexがあるが、いずれも、単発の回答ツールではなく、複数工程の作業を任せて監督するためのエージェント環境として説明している。また、開発以外にも資料作成、分析、デザイン、業務フローなどへ利用範囲を広げている。パソコンを操作してもらうためにデスクトップアプリのインストールが必要だ。参考:Introducing the Codex app、Codex for every role, tool, and workflow
ただし、「目的だけ伝えれば何でも完全自動で終わる」という段階ではない。
実物の測定、法令や安全性の判断、アカウント権限、最終公開などは人間が確認する必要がある。AIエージェントは担当者を完全に消すというより、担当者が判断すべき部分だけを残して作業量を減らすものに近い。
2. AIエージェントに出品を全自動で任せてみた
2-0. まずはAIエージェントによるブラウザ操作を体験してみる
Amazon出品を任せる前に、別の業務でAIエージェントのブラウザ操作機能を試した。
内容は、Amazon Seller Centralの全在庫管理ページと広告管理ツールPacvueから商品データを取得し、ASINを基準に統合する作業だった。
まとめたい内容は商品ごとのレビュー評価、CVR、ROASだ。Seller Centralの画面ではレビュー評価が表示されないため、1件づつ商品ページを開いて確認する必要があったが、人間だととてもやりかねない。広告のデータも1件づつ商品を照合しまとめなければならない。しかしAIエージェントは以下のプロンプトだけで作業を進めてくれた。
現在開いているAmazonセラーセントラルの「全在庫の管理」ページを確認し、掲載されているすべての商品の現在のレビュー評価を取得してください。次に、開いているPacvueの「商品リスト」ページから、各商品のCVRとROASを取得してください。その後、ASINをキーにAmazonとPacvueのデータを照合し、商品画像、商品名、ASIN、現在のレビュー評価、レビュー件数、CVR、ROASを一覧表または縦長の画像にまとめてください。可能であれば、商品画像付きの見やすい形式で作成してください。
取得したデータはASINを基準に統合し、レビュー評価、CVR、ROAS、商品画像を含むExcelファイルへ整理した。さらに、ROASの高い順に商品を並べた縦長画像も作成した。画像には商品サムネイル、レビュー評価、CVR、ROASを表示し、一覧を見るだけで各商品の状態を比較できるようにした。

この体験で、AIエージェントは単にブラウザ上の文字を読むだけではなく、複数ページの巡回、データ抽出、照合、集計、ファイル作成まで続けて処理できることが分かった。
また、途中で接続やセキュリティ上の問題が発生しても、原因を確認して別の処理方法へ切り替えることができた。この結果を踏まえ、次はデータ収集ではなく、Amazonの商品出品そのものをAIエージェントに任せることにした。
2-1. 出品素材を一つのフォルダにまとめる
最初に以下の素材を商品別フォルダへまとめた。
メイン画像
サブ画像7枚
商品動画2本
商品説明に使えそうな既存資料
今後も同じ方法で商品ごとにフォルダを用意し、AIエージェントが中身を確認して出品作業を進める運用を想定している。
ファイル名は以下のような単純な形式にした。
main1.png
sub1.jpgからsub7.jpg
video1.mp4
video2.mp4
2-2. メイン画像を実物に合わせて修正する
元のメイン画像では、紫色と水色のボールに使われている表面模様が実物と異なっていた。
そこで模様の形は変えず、紫色と水色だけを入れ替えた。背景はAmazonのメイン画像として使えるように白を維持し、商品以外の文字や装飾は追加していない。
修正後の画像を、新しいメイン画像として商品フォルダへ保存した。

2-3. ブラウザで必要なページを用意し、AIエージェントに任せる
ブラウザには以下のページを用意した。
1688の商品ページ
Amazon Seller Centralの商品登録ページ
自社アカウントの過去の出品情報
今回の操作では、主にSeller Centralの過去商品を参考にした。1688の商品ページも参考用に開いていたが、ブラウザ制御の対象範囲に入らなかったため、今回の出品文案はローカル素材とAmazonの過去出品を中心に作成した。
同じように以下のプロンプトだけてChatGPT Worksは進めてくれた。
ブラウザで1688の商品ページとSeller Centralの出品画面を開いている。「磁力球」フォルダには主画像、副画像、動画を入れてある。過去の出品、特にミニコンロを参考にして、商品タイトル、商品説明、五つの特徴、画像、動画の登録まで進めて。可能ならA+コンテンツ案も作って。作成した文章は、見出しを付けて1つのPagesかWordファイルにまとめて。サイズ、重量、価格など、こちらで測定・決定が必要な項目には「要入力」と書いて、次回も使えるテンプレートにして。不足情報があれば、その都度教えて。正式送信はせず、下書き保存まで進めて。
プロセス中は、いくつな越権行為やローカルファイルへの修正に許可を下す以外、パソコン操作は一切していない、ハンズフリーだ。
すると、2時間程度で、商品タイトルと説明文を作る、Seller Centralへ自動入力するまで終わらせてもらって、Seller Centralのエラーの確認、商品画像のチェックもしたそうだ。
まずSeller Centralの出品画面を確認したら確かに大半の入力はしてくれた。あとはエラーのところ(サイズなど実測が必要な情報がメイン)を修正する必要がある。


商品画像自体はアップロードできなかった。自動アップロードも試したが、Chrome拡張機能にローカルファイルへのアクセス権限がなく、アップロードがブロックされた。Chrome拡張機能の設定で「Allow access to file URLs」を有効にすれば再実行できるだそうだ。
また、動画とA+コンテンツはいずれも出品後に追加し、関連する仕様になっているため、アップロード・制作できなかった。
最後に今回生成した文字データのまとめ並びに次回も使えるテンプレートとしてdocxファイルが作られた。A+コンテンツの草案も中に組み込まれた。
ちなみに、これら一連の作業で消耗されたクレジットは20%だった。
3.結論
文章作成だけを見ると、従来のChatGPTでもある程度できた。しかし今回は、ローカルファイルの確認、ブラウザ操作、Seller Centralへの入力、エラー確認、資料作成までを一つの流れとして進められた。
最も効果が大きかったのは、商品情報を考える作業と、Seller Centralへ転記する作業が一つになったことだった。途中で不足情報や素材の問題も一覧化されたため、次に何を準備すればよいかも分かりやすい。
しかし、サブ画像にある文字の翻訳とアップロード、また1688から商品のサイズ等のデータを汲み取りできるだけ入力してくれることを期待していたが、そこまではできなかった。今回ではそこらへんを手直してアップロードするが、次回では設定を整えたりプロンプトを修正したりできるだけ自動化に目指したい。
またA+コンテンツについては出品後に別作業で依頼して進むのは一般的なワークフローになりそうだ。
コメント